ムッシュの仕事の都合で、現地入りできたのが木曜の夕刻になってしまいました。
作品のほとんどが5時には展示終了してしまいますので、この日はもう無理。
とりあえず十日町市内のメイン会場である「キナーレ」に足を運びます。
ここなら時間を過ぎても観られる作品もあるし、何か情報を得られるかもしれないし。
えーと・・・ んんっっ!!
ひいいぃぃ〜〜 ぶ、物騒な!
そんなこと言われたって、なにをどう注意すればいいのさ。
会場の中央には吹き抜けがあり、水が湛えてあって涼しげです。
そこに木のアーチのようなものがいくつも立っていました。そう、早速作品一号ですよ♪
こちらは武蔵野大学の学生さんによる参加型の作品。説明するよりも画像をご覧いただくほうがわかりやすいかも。
短冊に切った紙に願い事を書いてから木のキューブに詰め込み
お遍路さんみたいなコスプレしてざんぶざんぶと水の中を歩き
会場中央に置いてくる・・・というものでした。
梅子の願い事は「太鼓の達人になる!」
いや…それって「お願い」じゃなくて「宣言」だから。
ちなみに二人がかぶっている菅笠、芸術祭グッズショップでも1200円で売られていました。
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/artworks/index.php?id=510
紫外線も雨も防げるし、ちょっとお洒落でいいかも!
とっても欲しかったのですけど、梅子に阻止されてしまった。なんでさー?
それじゃってんで、頭のてっぺんにお花がいくつも咲いている帽子を買おうとしたら
マジ涙目で「やめて!」って怒られました。なんでさなんでさ???
さて、買い物に来たわけではありませんから、翌日からは真面目に回りますよ。
今回は何を置いても真っ先に観たい作品があるのです。
以前私が横浜の山下公園に「人」を作りに行ったことを覚えておいででしょうか?
「ONE FOR ALL」
あの時のゴームリーが、今年は越後妻有に参加しました。
実は先月末のムッシュの新潟出張というのは、彼の作品展示作業のお手伝いのため。
さあ、渾身の大傑作をご覧下さいませ♪ どん!!
・・・・この写真じゃ何が何だかわかりませんよね。。。
タイトルは「もうひとつの特異点」
廃屋の中いっぱいにテンションをかけたゴムが張り巡らせてあります。
よーくよーく見ると、密度の高いところに人体の形が見えるはず。
天体観測をするように、床に寝っ転がって見上げるとわかりやすいの。
え?まだわからない?それじゃムッシュがご協力いたしましょう。
背中を下に、両腕を拡げて脚を上にあげた人体像がなんとなく浮かび上がりませんか?
ゴームリーは展示にあたって、古民家の中の家具から建具から壁にいたるまで、それはもうありとあらゆるものを綺麗さっぱり排除しました。いやね、廃屋に残された生活道具や農具って妙に魅力的なんです。だってそれだけですでにアートの力を有していたりするのですから。外国人の目から見れば、それらは私たち以上に魅力的に見えることだってあるかもしれません。
そういうものを一切合切取り払って建物の構造をむき出しにした、そのゴームリーの潔さが見事でした。夾雑物を捨て去ったところに改めて立ち上がる建築構造の存在感の圧倒的なことといったら!
タイトルにある「特異点」とは宇宙の起源を意味するのだそうです。巡らされた梁以外には何もない空間は、この作品にいかにも似つかわしい神秘性を漂わせていました。
ゴームリーの作品のすぐ近くにあったのがこれ、「うかのめ」
白い筋、なんだと思いますか?
え?わからない?それでは今度は梅子が携帯で撮った写真をご覧下さい。
そう、お米なんです。この筋の一本一本にお米がくっついてるの。
コンセプトは非常にわかりやすいです。米どころ妻有に捧げる作家のオマージュのようなものを感じます。が、そんなことはどうでもいいの。これがもう有無を言わせぬくらい美しい空間を作っているのです。
窓から射し込む光。微妙に震えるような米粒の筋。
ゴームリーとは対照的に、こちらは囲炉裏跡、床の間、生活道具などが残され、積極的に利用されています。
「うかのめ(稲魂女)」って食物をつかさどる神様なんですって。自然と人の営みの記憶を作家の掌の中で大切に大切に温めて生まれてきた作品のように思えました。
鑑賞後に靴を履きながら
「これ、1個1個くっつけるのって大変よね。糸に糊を塗っておいて、お米の中をびょーっとのたくらせて一気につけるのかしらね」と話していたら、入り口に座っていた綺麗なおねえさんが教えてくれました。
「それだとお米の向きが一定にならないので、予め溝にお米を並べておく方法をとったんです」
「へー、なるほどね〜」
「最初はひとつずつ接着してたんですけどね(笑)」
「もしかして作家の方ですか?」
「はい」
んまー!んまー!このうらわかき大和撫子が?
とっても美人さんです。会期中は現地にいらっしゃることが多いそうです。男性陣必見ですよ!(笑)
この調子だと作品をいくつもご紹介できませんから、どんどんいきましょう。
今回は廃屋を利用したインスタレーションが力作揃いでした。
彦坂尚嘉さんによる「フロアーイベント2009」
もうひとつ彦坂さん絡みで東京都市大学手塚貴晴研究室とのコラボ「黎の家」
真っ黒な空間が迫力満点です。今週はここがイタリアンレストランになるそうですよ。
っくー、食べてみたかったわ。残念。
行武治美さんの「再構築」は2006年の作品ですが、今回初めて行きました。
緑の中に佇む小さな家は、数千枚にも及ぶ丸い鏡でびっしりと覆われています。
森を映し、空と雲を映すその姿の美しいこと!
これ、屋根がなかったら風景に同化しきって見つけられないんじゃないかしら?
ムッシュと梅子を並べて記念撮影をしようとしたところ。
娘があまりに大きいので、背伸びしているのではと疑うムッシュ。
ヤバイ、脚の長さ変わらない〜(笑)
さて、トリエンナーレ会場地域の一角に和紙の里がありました。
そこで作られている「伊沢和紙」を使ったインスタレーションが、これ。
まるで迷路のような和紙の森を通り抜けるときにふと感じる温もり、いいな。
作家の中村敬さんが、地元の和紙職人との共同作業で創り上げたのだそうです。
すっかり埋もれかけていた地場産業に再び光を当てるべく、職人さんは作家の難しい注文にも応えて頑張ったとか。妻有のアートにはこういったストーリーを持つものが多く、それを会場に詰めているボランティアが熱く語ってくれたりするところも大きな魅力のひとつだと感じます。
今週末にはこの和紙であかりをつくろうというワークショップも開催されますよ。
いらっしゃるなら日曜の午後が狙い目かも。
妻有のいたるところに点在する廃屋アート。
お米でしょ、材木でしょ、鏡に和紙に・・・まだまだありまっせ。
今度はシルクです。古巻和芳+夜闕H房による「繭の家─養蚕プロジェクト」
「あちーよあちーよ」と弱音を吐きながら辿り着いた私たちに、地元のおばあちゃんとおかみさんが冷たい麦茶を振舞ってくださいました。
作品のある2階へあがると、シャカシャカシャカシャカという音が響いています。
上州で生まれ育った私にはわかる。これはお蚕が桑の葉を食べるときに出す音よ。
その音と連動して、壁面いっぱいの繭玉が明滅します。とっても綺麗。
前に据えてある行李の重い蓋を持ち上げれば光が溢れ出し、中には眩いばかりの光沢を放つ絹糸が横たわっているの。まるでお伽噺のワンシーンのよう。
写真に撮れなかったのですが、床には小さな穴が開いています。
寝そべって覗くと、穴の向こうに拡がるのはこの集落を俯瞰したパノラマ風景。雪景色。
亡くなったこの家のおばあちゃんが空の上から故郷を眺める、その視線を追体験できるというわけです。
対面の小さな窓から洩れ入る光。吊された繭玉の美しさ。
廃屋プロジェクトはまだまだありますが、今日は力尽きました。。。
これからまたアイロン掛けなくちゃなんだもん。シクシク。




出るのはため息ばかりなり・・・とほほ
「再構築」はガイドブック見て、行きたいと思っていました。
キナーレは、昨年、温泉に入りに行きました。
今のドビーの職場、そこから結構近いもんで…(;´∀`)
…という事で、「明日行くか?!」ってな話になってるんで、ほぼこのレポート道順で回りそうな気配です。(笑)
写真の腕がないので、実物の迫力をなかなかお伝えしきれないのが歯痒いです。(汗)
でも素敵でしょ。(^o^)
まだまだ続編をアップしていきますので、ため息は小出しに「はっはっは」と出してみてください。だんだん笑えてきます♪
ひそちゃんの案に突っ込もうかと思ったら、きれいなお姉さんがすぐに訂正してくれてよかったです(笑)
「再構築」面白い。
透明人間みたいです。
梅子ちゃん、ほんとに背が伸びましたね。
アイロンかけ…たいへんね
テレビ見ながらじゃないとあの作業、私にはできません。つまんないんだもん。
きゃほー!お久しぶりです!!
>キナーレは、昨年、温泉に入りに
「明石の湯」ですね?私たちも二日連続で入りに行きました。下足入れのカギを失くしたー!と大騒ぎして、結局帰宅後の洗濯時にGパンのポケットから発見しちまったことはどうぞナイショにしておいてくださいませ。
>「明日行くか?!」
なぬーう?じゃあ頑張って明朝までにもうひとつ記事アップしますから、出発前に覗きに来てねー。
ドビー殿にくれぐれもよろしくお伝え下さい。
わわ、今そこにいますね?
>お米の筋。
>ひそちゃんの案に突っ込もうか
ぐっっ…乙女座の風上にも置けないザツな性格をまたしても露呈してしまった。。。
>透明人間
梅子が以前TV番組でそういう企画を見たそうです。全身鏡貼りにして風景の中に隠れられるかどうか、みたいな。森の中だったら比較的簡単そう。鏡貼りの部屋の中に入ったらどうなるんだろ?
>アイロン掛け
昼間掛けるときは主に梅子のピアノを聴きながらやっています。モーツァルトのソナタやショパンのワルツだと軽やかに掛けられるんだけど、あいにく今はベートーヴェンの『悲愴』を練習中。ガガーン!ドガーン!ズドーン!みたいな曲想はアイロン掛けには向かないことが判明いたしました。
ゴームリーさんの人型がうまく見られませんですた。ある見方のコツを掴んだら分かるんでしょうか。ムッシュのお尻はなかなかのものだと思いますたね。
廃屋シリーズいいですね。黎の家に続く道の、S字にくねった感じが抜群にステキと思いますた。写真が上手いのかも知れませんが、この家にはこの道じゃなくっちゃという気がします。この小道を歩いて行きたくなりました。
他の繭も和紙もすごくいいですね。
>サスガ日焼け止めクレンジングで焼いただけのことはありますね
一度フツーに読み流してから立ち止まり、大爆笑しました。そっか、あれは灼くために日焼け止めクレンジング塗ったくってたのか!(違)
>ゴームリーさんの人型がうまく見られません
私の写真の腕も悪いのですが、それよりもゴームリーの責任のほうが大きいと思います。だってどこのどの写真見たって作品の全体像が把握できるのなんて一枚もないのよ。これはもう現地に行っていただくしかないのだ。床に寝っ転がったら絶対わかりますよ。
>ムッシュのお尻はなかなかのもの
お尻評論家のグリンちゃんにお褒めいただき恐悦至極。しかしボルトの尻には到底かないませんわ。
>黎の家に続く道の、S字にくねった感じ
家へのアプローチも、小さな裏庭も丁寧に手を入れてありました。周辺もすべて含めて作品だ!というこだわりを感じましたよ。
くねった道は結構な上り勾配で、ちゃっちゃと歩く梅子に置いてきぼりをくらいました。彼女は毎日5階の教室に昇降しているので、1学期でふくらはぎが見事に発達したのです。
この家ね、ボランティアとして入り口に詰めているのが地元の老人会の人たちでした。おじいちゃんとおばあちゃんが並んでニコニコ迎えてくれたのが嬉しかった。生き生きシルバーエイジばんざい♪